〜はじまり〜
真っ白いネコに恋をした

まっ黒いニャンタ

青空を歩くときのキミは まるで

そよ風のドレスをまとった お姫様のよう

そんなボクは…

キミの王子様になれるかな?

ボクは キミを見かけると

思いを伝えようとするんだけど…

キミの姿をみると 恥ずかしくなって

逃げてしまうんだ

いつかキミに 想いを伝えられるよう

ボクは 自慢のヒゲをとかして

おめかししよう



〜もどかしさ〜
「月夜の下でお茶しませんか?」

そんな風に言えたら

どんなにいいだろう…

今は遠くでしかキミに逢えないけど

白い 白いキミの隣に

真っ黒いボクの姿

思い浮かべるだけで…

ヒゲがしわしわになってく



〜いのり〜
いまだにキミに

想いを伝えられないまま

引っ込み思案なボクは

茶色い目を潤ませて

毎日 星に願いをかける

「どうかキミに伝わりますように」

ふにゃふにゃの 肉球を合わせて

上を見上げた…



〜おどろき〜
ある月夜の光の中

ニャンタは 背中を丸めてうつろに歩く

ふと上を見上げれば キミの姿!

あまりに驚いて目が 丸くなった

どき・どき・どき…

気が付けば

周りの景色が流れてた…



〜なみだ〜
道端 には涙で出来た

小さな 小さな水たまり…

そこには真ん丸い

お月様が映ってた

空を見上げると

心に月が問いかけてくる

「ニャンタ もっと自分に自身をもちなさい」

ニャンタは毛を逆立てて…

「ボクはどら猫 あっちは高貴な飼い猫
ぜんぜん違いすぎるじゃないか!」

そう答えると 月にそっと背を向けた



〜なやみ〜
しょげてるボクの心に

つき放たれたあの言葉

…本当は知っていたんだ…

何が一番足りないのか…

それは…

見た目じゃなくて

キミに伝えられる

勇気と 自信なんだって

それに向き合ったとき

空に輝く星達が

夜空の向こうを駆け抜けた…



〜ゆうき〜
月の光を身にまとった

自信に満ちた真っ黒いニャンタ

真っ白いキミの王子様になるため

自慢のヒゲをとかして

月のじゅうたんを歩いてく…



〜やっと〜
夜の匂いがする…

月明かりに照らされて

映し出されたシルエット

そこには…

夜風のドレスをまとった

キミが座っていた

ボクはピンとしっぽを立てると

一呼吸してキミに話かけた…

………

キミの蒼い 蒼い瞳が

月明かりに照らされて

宝石のように輝いていた…

                                      END